2024年度大学入学共通テスト
物理の傾向から考察
大学入学共通テストも4年目となり、知識の量ではなく、応用力や分析力を問う傾向が定着してきましたた。
ここでは大学入学共通テスト・化学の出題傾向・対策などを解説していきます。共通テストの傾向をしっかりと把握して正しい共通テスト対策を行っていきましょう。
目次
2023年度の物理はどのようになっていたのでしょうか。
項目ごとに解説します。
2023年度大学入学共通テストの物理は、前年度の平均と比較すると2.67点のプラスで、ほぼ前年並みの難易度だったと言えます。
科目 | 満点 | 2023年度 平均点 |
2022年度 平均点 |
前年度との差 |
---|---|---|---|---|
物理 | 100 | 63.39 | 60.72 | 2.67 |
2022年の共通テスト物理は、2022年度と変わらず大問数4題・設問数20題。A.Bに分かれる中問も前年に引き続き出題されませんでした。
丁寧に説明され取り組みやすい問題が増えた反面、問題のページ数が増え、問題文を読む量が増えたため、難易度は前年とさほど変わらなかったと思われます。
基本的な知識を身につけていることを前提として論理的な思考力や応用力が求められる共通テストの傾向通りの出題でした。
2023年度共通テスト物理は、上述通り大問数4題、マーク数は1つ増えて26。大問1の小問で原子分野から出題されました。
全分野から出題され、大きな偏りは観られませんでした。
大問ごとの配点と出題項目は下記のとおりとなっています。
大問 | 内容 | 配点 |
---|---|---|
1 | 小問集合 | 25 |
2 | 力学分野 | 25 |
3 | 波動分野 | 25 |
4 | 電磁気分野 | 25 |
2023年度は問題量が多く解答に時間はかかったものの、説明が丁寧で解きやすい問題も多く、前年に比べ難易度は大きく変わりませんでした。また、基本的な理解を前提として思考力・応用力を問うという共通テスト全体の傾向は変わらず、物理分野全体から出題されることもかわりはなく、2024年度も同様の傾向が続くと思われます。
対策については次から解説していますので、参考にしてください。
共通テスト物理の問題傾向や配点などをお伝えしてきました。それではどのように準備・対策をしていけばよいのでしょうか。
ここでは、共通テスト 物理のおすすめの勉強法を紹介します。
共通テストの傾向として、思考力や応用力を問う出題がされますが、基礎的なことができている前提となっています。まずは基礎的な知識を徹底して身につけ、教科書で問われている知識については間違いなく理解できるようにしましょう。
幅広い分野から偏りなく出題されるため、苦手分野を残すと得点に響きます。基礎的な事項から丁寧に理解し、演習を繰り返し、苦手分野をなくしましょう。
共通テストは教科書の範囲からの出題が基本です。難解な問題集にチャレンジするよりも、基本的な問題集・参考書を徹底的に理解するほうが、結局高得点に繋がります。
基礎を抑えたら、次に演習です。その際には共通テストの過去問にも積極的に取り組みましょう。共通テストとセンター試験は傾向が異なる部分もありますが、十分参考になります。
時間内に問題解決に導けるスピードを身につけるため、時間を測りながらの演習も必須です。
文系の生徒で共通テストでのみ物理を受験する場合、できれば春から、遅くとも夏ぐらいからは取り組みましょう。早めに取り組み知識の定着を図った上で演習に取り組みましょう。
現在の知識レベルによって何時間の学習をすればよいかは異なりますが、ベースがなければその分習得時間を割かなければいけなくなります。主要教科に割く時間が少なくなってしまうので、少しずつでもいいので早めに取り組むことをおすすめします。
共通テスト直前になったら、できなかった問題を繰り返しやり、確実に解けるようにしておきましょう。何度も間違ってしまう問題は、基本的なことが理解できていない可能性があります。放置すると他にも解けない問題が出てくる可能性があるため、さかのぼって復習することも忘れずに。
また、過去問や模試を使っての時間配分の確認も重要です。
せっかく解ける問題を時間切れで解けないのはもったいないので、時間内に解ききることができるようにトレーニングをしておきましょう。
基礎基本を固めた上で読解力・理解力が求められていることを踏まえて、共通テストの傾向に沿った解説・アドバイスをしてくれる教材を吟味して、徹底的に使い倒しましょう。
人気の参考書やオリジナルで制作されたものなどが悪いわけではありませんが、自分の実力にあったものを徹底するほうが地力はつきます。
共通テストはセンター試験に比べて読解量が多くなり、時間がタイトになっている傾向にあります。ここでは時間配分の例を紹介します。
共通テスト物理の時間配分例は下記のとおりです。
試験時間は60分。
見直し・チェックは余裕を持って行いたいところなので、時間を短縮できるよう工夫が必要です。
大問1 | 12分 |
---|---|
大問2 | 14分 |
大問3 | 16分 |
大問4 | 10分 |
見直し | 8分 |
計 | 60分 |
上記はあくまで目安です。
得意な問題傾向の設問は時間を短縮して、苦手問題傾向の設問には時間を余分にとるなどの調整は必要になります。あと、見直しの時間も最初から考慮した時間配分で取り組めるとミスもなくなり高得点に繋がります。
時間内に解ききるためのコツをいくつかご紹介します。
まず設問・選択肢を先に読んで、「何が問われているか」を把握したうえで問題文を読みましょう。
わからない問題にこだわって時間がなくなってしまうとあとの大問をまるまる解けないということもありえます。
わからない問題は潔く飛ばして、解ける問題から解いていきましょう。
共通テストで9割や満点を目指すには、まずは基本的な知識や公式を確実に抑えておく必要があります。共通テスト全体の傾向として、基本的な知識を理解していることを前提として思考力や応用力を試しています。そのため、基本的な知識がおろそかになっていれば、高得点は望めません。
さらに物理の場合は、会話文や見慣れない実験が登場し、問題の意図を把握するのに時間がかかります。センター試験に比して、問題量やマーク数が増加傾向にあり、時間に余裕がありません。
問題の意図を素早く読み取り回答する演習を積む必要があります。
共通テスト理科に関しては、下記のパターンから選択して受験することになっています。
共通テストでは、下記のパターンから科目を選択します。
・文系:基礎科目から2科目 または 基礎を付さない科目から1科目
・理系:基礎を付さない科目から2科目 または 基礎科目2科目と基礎を付さない科目1科目
理系の国立・公立大2次試験や私立大個別試験では、理科のうち1か2科目選択すしますが、多くの場合、基礎科目と基礎を付さない科目の全範囲から出題されます。
自分が受験しようと考える大学・学部に必要な科目は何かを把握し、いざ受検というときに必要科目を受けられるように選択しましょう。
物理に限らず理科は、特別な理由がある場合を除いて、授業の選択科目で受けたことのある科目を選択し、内容を復習しつつ共通テスト対策に臨むのがベターです。
また、上述通り受験する大学の受験科目になっているかも事前に調査した上で、身長に検討しましょう。
基礎的な知識が身についていることを前提に、思考力や応用力を問われるというのが全教科・科目を通じての共通テストの傾向となっています。
受験対策も暗記中心のセンター試験対応のものから、共通テストに対応して行う対策に切り替えて行う必要があります。
他教科の共通テストの科目別問題傾向と対策も詳しく説明していますので、是非参考にして共通テスト対策の勉強を進めていきましょう。
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